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念仏札

一遍上人語録

門人伝説

 門人伝説89

また云(いわく)、夢と現とを夢に見たり。〈弘安十一年正月二十一日夜の夢なり〉種々に変化して遊行するぞと思ひたるは、夢にて有りけり。覚めて見れば、少しもこの道場をばはたらかず、不動なるは本分なりと思ひたれば、これもまた夢なり。この事、夢も現も共に夢なり。当世の人の悟りありと、ののしりわめくはこの分なり。まさしく生死の夢覚めざれば、この悟りは夢なるべし。実に生死の夢をさまさんずる事は、ただ南無阿弥陀仏なり。

彼仏今現在世◀ ▶菩提心論に

 

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