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念仏札

一遍上人語録

門人伝説

 門人伝説62

また云(いわく)、苦をいとふといふは、苦楽共に厭捨するなり。苦楽の中には、苦はやすくすつれども、楽はえすてぬなり。楽をすつるを厭苦の体とす。その所以は、楽の外に苦はなきなり。

しかれば善導は、「雖言是楽、然是大苦。必竟無有一念真実楽也」と釈せり。或は、「総勧、厭此人天楽」と釈せり。されば楽の外に苦はなき故に、楽をいとふを厭苦といふなり。

 

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