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念仏札

一遍上人語録

門人伝説

 門人伝説82

また云(いわく)、或る人問うていはく、「諸行は往生すべきや、いなや。また、法華と名号といづれか勝れて候」と云々。

上人答へて云(いわく)、「諸行も往生せばせよ、せずはせず。又名号は法華におとらばおとれ、まさらばまされ。なまさかしからで、物いろひを停止して、一向に念仏申すものを、善導は、「上中の上々人」と誉めたまへり。

法華を出世の本懐といふも経文なり。又釈迦の五濁悪世に出世成道するは、この難信の法を説かむが為なりといふも経文なり。機に随って益あらば、いづれも皆勝法なり、本懐なり。益なければ、いづれも劣法なり、仏の本意にあらず。

余経余宗があればこそ、この尋ねは出来たれ。三宝滅尽のときは、いづれの教とか対論すべき。念仏の外には物もしらぬ法滅百歳の機になりて、一向に念仏申すべし。これ無道心の尋ねなり」。

 

法華と名号は◀ ▶また或る人

 

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